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無電解めっき(メッキ)の原理について

2024年7月30日

水溶液から電気を使用しないでメッキする方法を無電解メッキといい、以下の様に分類されます。

・広義の無電解メッキ・・・・置換メッキ(例:亜鉛置換)

           ・・・・化学還元メッキ・・・・非触媒型(例:銀鏡反応)

                      ・・・・自己触媒型(例:無電解Ni-P)

これらは酸化還元反応により金属の生成を促します。金属が電子をもらって+電荷が減ることを還元といい、電子を放出して+電荷が増えることを酸化といいます。

 

置換メッキ

 代表例として硫酸銅溶液と鉄の組み合わせによる反応で、

         Cu2+ + Fe → Cu + Fe2+ (※イオンの価数を全角で示します【通常は右上小文字】)

 以下の電子のやり取りでメッキを行います。

         還元 銅イオン(めっき):Cu2+ + 2e- → Cu

         酸化 鉄(溶解):Fe → Fe2+ + 2e-

 鉄素地の表面が溶解するときに放出する電子を銅イオンがもらって金属となり析出します。

 この反応は素材表面がメッキ金属で被覆されると、反応は停止するので得られるメッキの厚さには限度があります。

 

化学還元メッキ・・・非触媒型

 例としては銀鏡反応があるが、この場合はガラスが素地なので、置換反応のように金属溶解による電子の放出はない為、化学還元剤の存在が必要となる。

         還元 銀イオン(めっき):Ag+ + e- → Ag

         酸化 還元剤:還元剤R → 酸化物O + e-

 この反応は、メッキの反応と同時に溶液全体で反応が進行する為、溶液全体の反応が停止するとメッキの反応も停止する。よってメッキの厚さも限定されます。

 

化学還元メッキ・・・自己触媒型

 工業用の無電解銅・無電解ニッケルメッキは、メッキされる品物のみに反応が生じます。

 反応自体は銀鏡反応に類似するが、反応が起きる部分が品物表面に限定されるのはメッキされた金属自体が還元剤となり酸化反応(電子の放出)を起こします。
 よって自己触媒反応と言われ、持続性があり、時間に比例してメッキ膜厚が生成します。

 

 これらの原理が、無電解メッキ生成反応となります。