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めっき(メッキ)はいつからあるの?
2024年7月30日
めっきは、紀元前2000年頃のメソポタミア地方北部で鉄器に錫を被覆したのが始まりとされています。これは鉄器の装飾性と耐食性向上の為に使用していたと思われます。
又、紀元前700~250年頃、南ロシア・コーカサス・小アジアの騎馬民族による動物意匠の工芸美術品が作られており、それらの地方から青銅の表面に水銀のアマルガム法によって金めっきが施された工芸品が多数出土しております。
日本には中国から仏教と共にめっき技術が伝わり、752年に建立された東大寺の大仏にめっきを施し、「東大寺大仏記」によると水銀約50t・金約9tを使用し青銅で鋳造された大仏を、金を水銀に溶解した金アマルガムで表面を覆った後に松明などで水銀を飛ばしめっき処理を行いました。この処理方法は時間がかかる為5年の歳月を要したそうです。
ちなみに、この5年の間で多くの水銀蒸気が大仏殿に充満し、当時水銀中毒が原因とは知る由もなく原因不明の疫病が広まりこれは大仏の祟りだと恐れられたそうですが、大仏が完成するとともに疫病がおさまり大仏の御利益だと畏敬の念でお参りをしたのではとも言われております。
明治の終わり頃にはアマルガム法を使用し、鍍金師や飾り職人の手で刀剣・仏具・装飾品に施されました。
現在のめっきは、1800年のボルタの電池発明に端を発し、以降鉛・銀・金の装飾めっきが行われ、その後鉄鋼製品の発達と共に防錆めっき、さらに装飾や防錆をかねた多層めっきへと発展いたしました。